タンパク質ってどんな栄養素?効果と摂取方法について徹底解説!

 

タンパク質とは?

タンパク質は、肌、髪、筋肉、内臓、体内のホルモン、酵素、免疫物質など体を作る材料です。水分を除くと、体の約半分を占めており、体に最も重要な栄養素と呼ぶこともできます。健康の土台を作るために、日頃から十分な量のタンパク質摂取が不可欠です。

また、タンパク質は体を作るだけでなく、生命活動に欠かせない様々な働きを担っています。私たちは、起きている時も、寝ている時も、24時間365日、常にタンパク質を利用しながら生命を維持しているのです。

タンパク質の働き

ふむふむ、だからタンパク質って欠かせないんだね!

タンパク質は、アミノ酸からできている!

タンパク質は、アミノ酸が結合してできています。
ヒトに必要なすべてのタンパク質は、20種類のアミノ酸の様々な配列によってできており、アミノ酸の種類と順序が、タンパク質の性質と機能を決定します。
20種類のアミノ酸の中で「必須アミノ酸」と呼ばれる9種類は、体内で合成することができないため、食事から摂取しなければなりません。

アミノ酸って、タンパク質の素になるのか〜!

現代人はタンパク質が不足しがちって本当?

タンパク質は、水分を除いて私たちの体の約50%を占めますが、現代の食生活ではその構成量を維持できるほどの量を摂取できていないと言われています。

炭水化物の多い食生活、ダイエットによるカロリー制限、動物性食品を口にしない菜食主義者など、食の嗜好の多様化により、現代のライフスタイルでは、十分なタンパク質が摂取できていないケースが多く見られます。

体の構成要素
タンパク質のオーソモレキュラー栄養療法的な1日の必要量と実際の摂取量
参考文献:【1】

パンやご飯、麺ばかりじゃダメな理由がわかったくら♪

タンパク質が不足するとどうなるの?

タンパク質が不足すると、私たちの体は材料不足になり、様々な影響が出てきます。筋力や骨などが衰えることはもちろん、体の機能の低下に繋がり、体調を崩しやすくなる可能性も増してしまいます。

もしかしてタンパク質不足!?

※3つ以上該当したらタンパク質不足の可能性大

  • 少食の方、肉や魚をあまり食べない
  • ご飯、パン、麺類で食事を済ませがち
  • 運動やスポーツをよくする
  • ダイエットで食べる量を減らしている
  • 風邪をひきやすい
  • ストレスを感じることが多い
  • 肌のハリがなくなった
  • 筋力が落ちた
  • 成長期の方
  • 妊娠・授乳中の方

タンパク質不足って、いろんな症状に繋がるんだね。

タンパク質と心の意外な関係性

タンパク質と聞くと「筋肉の材料」というイメージが強いですが、実は「心」とも深く結びついています。感情は「神経伝達物質」という脳内で情報伝達をしている物質によってコントロールされています。

神経伝達物質の主材料は、タンパク質です。つまり、私たちが「嬉しい」「悲しい」などの様々な感情を感じるのも、タンパク質があってこそなのです。

例えば、心の元気をサポートしてくれる「セロトニン」という“幸せホルモン”は、気分、睡眠、食欲、ストレス応答などの調節に関与していますが、タンパク質の材料であるアミノ酸の1つ、「L-トリプトファン」から合成されます。
こうした神経伝達物質の材料であるタンパク質を十分に摂ることで、私たちの心はバランスよく、穏やかに保たれていると言っても過言ではないのです。

いつもやさしい気持ちでいるには、タンパク質が大事なんだね〜!

タンパク質が不足している方こそ、タンパク質が食べられない!?

「牛肉や豚肉などのタンパク質を食べると、胃がムカムカしてしまう…。」という方は多いかもしれません。面白いことに、実は、口・胃・腸などで食べ物を消化する「消化酵素」は、タンパク質からできています。 つまり肉の成分にもタンパク質が含まれますが、消化を助けるにもタンパク質が必要なのです。

胃もたれは「タンパク質不足」が原因というケースがよく見られます。肉を食べることによって胃もたれしてしまうあなたが、肉を食べられるようになるためには、「分食にして肉を少量ずつ食べる」という方法が望ましいということになります。
「脂身ではなく赤身を選ぶ」「よく噛む」「食後は横にならないこと」も、タンパク質を消化するコツです。

タンパク質の消化吸収の流れ

タンパク質で胃もたれして、タンパク質で解決か…。

タンパク質を摂取できる食事って?

「1日に必要なタンパク質の量」は、栄養療法では適正体重1㎏あたり約1.5gと言われています。{適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22}
例えば、あなたの身長が160㎝の場合、適正体重は約56㎏、1日の理想的なタンパク質摂取量は約85gとなります。
この量を食事に置き換えると、肉や魚なら約400g、木綿豆腐なら約4丁、卵なら約13個に相当します。毎日摂ろうと思うとなかなか難しいかもしれません。

食生活はただでさえ、ご飯やパン、麺などの炭水化物などに偏りがち。
プロテインの活用も視野に入れ、意識的にタンパク質を摂取しましょう!プロテインには、タンパク質の吸収を助ける工夫がされているものもあります。

オーソモレキュラー栄養療法で推奨される1日分約80~90gの「タンパク質」を食事で摂るには?

※オーソモレキュラーで推奨される1日に必要なタンパク質量:適正体重[22(BMI)×身長(m)×身長(m)]× 1.5 [身長約155cm~165cmの場合]

オーソモレキュラー栄養療法で推奨される1日分約80~90gの「タンパク質」を食事で摂るに
参考文献:【2】

プロテインって、アスリートだけのものじゃないんだね〜!

オーソモレキュラー栄養療法の基本

オーソモレキュラー栄養療法では、特定の不足栄養素を補う前に、基礎的な栄養素(主に、タンパク質、鉄、ビタミンB群)がヒトの体の土台作りの材料として重要と考えています。これらの栄養素の体内バランスを整えた上で、不足している栄養素を補うことで、健康維持や不調の改善を目指します。

参考文献

【1】摂取量の出典:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」
【2】文部科学省「日本食品標準成分表 2020年版(八訂)」