ビタミンB₂の必要性を深掘り!おすすめの摂り方とは?

 

毎日の健康を支える栄養素の1つ、ビタミンB2。しかし、その具体的な効能や重要性について、しっかりと理解している人は少ないものです。
この記事ではビタミンB2の役割や、摂取する際のポイントをあらゆる角度から掘り下げていきます。ビタミンB2の知識を深め、かしこく健康に役立てましょう。

ビタミンB2とは?基本の理解を深めよう!

ビタミンB2は、水に溶ける水溶性ビタミンの1つとして知られ、正式名を「リボフラビン」と言います。いわゆるビタミンカラーと呼ばれる黄色~橙(だいだい)色をしたビタミンです。多くの栄養ドリンクやサプリメントの色が蛍光色の黄色であるのは、ビタミンB2 の発色によるものと言われています。
またビタミンB2は私たちの体に深く関与するため、「発育ビタミン」「成長ビタミン」「美容ビタミン」などとも呼ばれており、細胞に不可欠な栄養素です。

またビタミンB2は、他のビタミンBとともに働くことも特徴であり、一緒に摂取することが大切です。 B2を多く含む卵や緑黄色野菜(ブロッコリーなど)には、ビタミンB1やナイアシン(ビタミンB3)が多い赤身肉やカツオを組み合わせるとよいでしょう。

リボフラビンとも呼ばれるビタミンB2の役割

皮膚や粘膜の健康維持

ビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれ、脂質をエネルギーに変える過程で必要とされています。また、このビタミンは皮膚や粘膜の健康維持にも欠かせない栄養素とされています。さらにリボフラビンは、体内での抗酸化作用を促進し、細胞を酸化ストレスから保護する役割も担っているのです。
したがって、これらの機能が正常に働くためには、ビタミンB2の適切な摂取が重要になります。

参考文献:【1】

ビタミンB群との関連性と相乗効果

ビタミンB2はビタミンB群の中でも中心的な位置を占めており、他のビタミンとの相乗効果が期待されています。例えば、ビタミンB6やB12とともに摂ることで「ホモシステイン」という体に有害な物質の代謝を促進します。
このように、ビタミンB2を他のビタミンB群と合わせて摂取することにより、それぞれのビタミンの機能が向上し、全体としての健康維持に寄与するのです。

参考文献:【1】

体内でのビタミンB2の働き

体内におけるビタミンB2の働きは、エネルギー産生以外にも様々です。
例えば、赤血球の形成を助けることで、酸素運搬能力を向上させたり、成長期の子どもたちの成長をサポートしたりします。 また、目の疲れや光に対する適応力のアップにも寄与することが分かっており、健康な生活を送る上では欠かせない栄養素と言えるでしょう。

参考文献:【2】

脂質代謝を助けるビタミンB2

健やかな生活

私たちが健やかな生活を送るためには、体がしなやかに機能することが欠かせません。そこで重要となるのが脂質代謝です。
脂質代謝をスムーズにしてくれる栄養素が、ビタミンB2です。ビタミンB2は、体内に吸収されると、細胞内でエネルギー産生に不可欠なコエンザイム(補酵素)である「フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)」や「フラビンモノヌクレオチド(FMN)」に変換されます。この2つの物質が、脂質を分解し、体を動かすエネルギーへと変えるプロセスに関与しています。このことから、ビタミンB2の適切な摂取は、脂肪が過剰に蓄積されることを防ぎ、さらには体調管理にも寄与していることが分かります。

参考文献:【1】

代謝促進によるエネルギー産生の増加量

ビタミンB2が豊富に含まれる食品を摂取することで、脂質がエネルギーとして利用されやすくなり、また体内での脂肪の蓄積を防ぐ助けとなります。さらには、アミノ酸やタンパク質の代謝にも密接に関与しているため、これらの栄養素の効率的な利用を促進します。
代謝が向上することで、体がうまく機能するようになり、疲労感の軽減や運動能力の向上が期待できます。また、精神的な調子を整える作用も期待されています。

しかし、ビタミンB2は水溶性ビタミンであるため、汗や尿とともに排出されてしまい体内に蓄えることができない栄養素です。毎日の食生活の中で継続的に意識して摂取することが重要です。特に、現代社会において忙しい人々の日々の生活では、ビタミンB2の効果がより一層求められているのではないでしょうか。

参考文献:【2】

ビタミンB2不足が招く不調とは?

眼痛

上述のように、ビタミンB2はエネルギー代謝にも必要な栄養素のため、不足が長引くと、より深刻な健康問題に繋がることも考えられます。

ビタミンB2が不足することで起こりうる身体的な症状

ビタミンB2不足が続くと、肌の乾燥や粘膜の弱り、口角炎など、外見上の変化などが見てとれるようになります。これに加えて、眼痛や目が光に敏感になる感覚を覚える人もいるでしょう。
栄養素の欠如は、口内炎や舌の炎症なども現れやすい症状の1つです。そのため、毎日の食生活においてビタミンB2を意識して摂ることが、こうした症状を未然に防ぐ鍵となります。

参考文献:【2】

現代人は摂取量が減っている

多くの現代人は、加工食品の利用が増えるとともにビタミンB2を含む食材を摂る機会が減りがちです。
加工食品はその調理過程で、高温や強い光が用いられることがあります。それによってビタミンB2が失われる可能性があるのです。また、加工食品には脂質や糖分が多く含まれる傾向にあります。そのような食品の摂取頻度が増えると、相対的にビタミンB2の摂取量が減ってしまうことが考えられるのです。
さらにストレスやアルコールの摂取が多いと、ビタミンB2の体内での需要が高まるため、意識的に摂取する必要があります。

適切なビタミンB2の摂取量とは?

ビタミンB2の適切な日ごとの摂取量は、性別や年齢、生活スタイルによって差がありますが、一般的に成人男性は1.6mg、成人女性は1.2mgが推奨されています。妊娠中や授乳期の女性は、さらに多くのビタミンB2が必要です。

参考文献:【3】

おすすめの摂り方

ビタミンB2を効率よく摂るおすすめの方法は、肉や魚など含有量の多い食品を積極的に摂ることです。
ビタミンB2は水溶性のビタミンがゆえ、体内に溜め込むことができない栄養素であるため、こまめに摂取するなど方法があります。ビタミンB群は比較的加熱による損失が少ないものの、気になる方は、蒸し料理にする、下茹ではなるべく短時間にすると、ビタミンB2が水に流れてしまうことを最小限に留められます。まるごとスープにして、飲み干してしまうのもよいでしょう。

ビタミンB2は光に弱い性質があり、直射日光や紫外線を浴びることで分解されてしまいます。光を避けて保存するなどの工夫も必要です。

まとめ

ここまでビタミンBの摂取について述べてきましたが、ビタミンBの体内効率を最大限に高めるためには、8種類あるビタミンBを、「群」として複合的に摂ることが必要です。
なぜなら、脂質の代謝には特にビタミンBが重要ですが、その代謝と連動している様々な代謝には、他のビタミンBすべてが必要となるためです。体内では様々な代謝活動が起こっていますが、各々が単独で作動しているわけではなく、歯車がいくつもかみ合っているように連動して作動しているのです。ビタミンB群については、こちらの記事も参考にしてみてください。

オーソモレキュラー栄養療法の基本

オーソモレキュラー栄養療法では、特定の不足栄養素を補う前に、基礎的な栄養素(主に、タンパク質、鉄、ビタミンB群)がヒトの体の土台作りの材料として重要と考えています。これらの栄養素の体内バランスを整えた上で、不足している栄養素を補うことで、健康維持や不調の改善を目指します。

参考文献

【1】ハンス・コンラート・ビーザルスキ 他 「カラーアトラス栄養学」 ガイヤブックス
【2】中村丁次 監修 「からだに効く栄養成分バイブル」 主婦の友社 
【3】厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版 ビタミンB2

監修
水流琴音

水流 琴音(つる ことね)

「暮らしのなかで自然にふれる」やさしい食を台所から育む

【所持資格】
管理栄養士、一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所 認定ONP(7期)

【活動・経歴】
フリーランス管理栄養士として活動中。
オーソモレキュラー栄養療法を取り入れたクリニックで栄養カウンセラーとして勤務。
また、クリニックでの栄養療法の導入支援やスタッフ研修も行っている。
その他、フリーランスとして予防医療に関する発信や執筆、一般向けセミナー講師としても活動中。

【SNS】
Instagram

【認定ONPとは】
オーソモレキュラー・ニュートリション・プロフェッショナル(ONP)は、一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所が認定する栄養カウンセラーの資格です。認定ONPはオーソモレキュラー栄養医学の正しい理論に基づく、栄養素の知識、血液検査データの解釈、病態別栄養アプローチ、食事指導のプロフェッショナルとして、医療機関などで活躍しています。
また、同法人では、一般の方を対象としたオーソモレキュラー栄養療法の概要、食生活の指針、食品・サプリメントについてなど、最先端の栄養健康学のポイントを学べるオーソモレキュラー・ニュートリション・サポーター(ONS)講座を開講しています。