ビタミンB群とは?
ビタミンB群は、様々な種類のビタミンから成るグループであり、エネルギーを作るためや、心の元気の維持に重要な役割を果たします。
ビタミンBは、それぞれが助け合いながら働くため、様々なビタミンBを一緒に摂ることが望ましいとされています。
ビタミンBは、腸内で合成することもできますが、現代の食生活や生活習慣の下では、十分な量は合成できないという方も多いことから、食品から摂取することが大切です。
ビタミンB群の種類は?現代人に不足している って本当?
ビタミンB群は全8種類あり、肉類などに含まれる「ビタミンB1(チアミン)」「ビタミンB2(リボフラビン)」「ナイアシン(ビタミンB3)」「パントテン酸(ビタミンB5)」「ビタミンB6(ピリドキシン)」「ビオチン(ビタミンB7)」、葉野菜やキノコなどにも含まれる「葉酸(ようさん/ビタミンB9)」、「ビタミンB12(コバラミン)」があります。
ビタミンB群は動物性食品に多く含まれています。
また、腸内のビフィズス菌などによって合成することもできます。かつての日本人は、食事内容のバランスがよく、腸内環境も整っていて、生活習慣の乱れがなかったため、不足が見られなかったと考えられます。
しかし現代では、甘いもの・炭水化物多めの食事、加工食品の増加、ストレスやアルコール摂取・喫煙などの習慣により、ビタミンB群の吸収率が低下したり、消費量が増加することによって、ビタミンB群は「現代人に不足しがちな栄養素の1つ」とも言われるようになりました。
たしかに、ビタミンBってあまり気をつけてなかった!
こんな生活習慣の人は、ビタミンB群不足に要注意!
スイーツやお菓子が大好き、飲酒習慣がある、忙しくて手軽に摂取できるご飯・麺類・パンなどに食事が偏りがち、加工食品やファーストフードが好き、ストレスが多いなど…ビタミンB群不足になりがちなライフスタイルを挙げていくと、該当する方は多いのではないでしょうか?
以下の4つの理由からビタミンB群は、現代人に不足しがちな栄養素です。
食品中の含有量の低下
1つ目は、食生活の偏りと、食品内の含有量が低下したこと(精製・加工・保存などが原因)が挙げられます。
消費量の増加
2つ目は、ストレス、アルコール・喫煙などの習慣、妊娠などの要因により、ビタミンB群の消費量が増え、結果的に体内で不足してしまうためです。
体内合成の低下
3つ目に、ストレスなどに伴い、腸内でのビタミンB群の合成量も低下するためです。
薬剤による影響
さらに4つ目に、ピルや制酸剤など薬剤により、ビタミンB群の吸収が低下することも、不足の原因となります。
ビタミンB群が不足するとどうなるの?
ビタミンB群はエネルギー産生や神経機能の維持に関与する重要な栄養素なので、体内に不足すると、様々な不調を引き起こします。ビタミンCなどに比べて、あまり名前を聞くことが少ない栄養素なので、「栄養療法のクリニックを訪れて、血液検査をしてみたら、ビタミンB不足と言われてびっくり!」というケースもよく見られます。
健康でいるために不可欠な栄養素なんだね。
もしかしてビタミンB群不足!?
※3つ以上該当したらビタミンB群不足の可能性大
- 疲れやすい、寝ても疲れが取れない
- お酒を飲む習慣がある
- 成長期である
- 音や光に敏感である
- イライラしやすい
- 落ち込みやすい
- 口内炎、口角炎ができやすい
- 皮膚トラブルが多い
- 甘いもの、炭水化物が好き
- 受験生である
甘いもの好き、お酒好きの方、お子様は、特に要注意なのかぁ!
ビタミンB群が足りないとエネルギーが作れない!
私たちの体が生命活動を維持するために重要なのがエネルギーです。
私たち人間の体内では、3大栄養素(脂質、タンパク質、炭水化物)からエネルギーを作りますが、その過程で必要となるのが、ビタミンB群です。
例えば、脂質をエネルギーとして活用するためには、6種類のビタミンBが必要です。
タンパク質、炭水化物の場合も同様に、エネルギーになるまでに複数のビタミンBが関わります。そのため、ビタミンBはどれか1種類ではなく、複合的な摂取が必要なのです。
ビタミンB群って元気の素なんだね!
感情や集中、睡眠のコントロールにも、ビタミンB群が必須!
私たちのメンタル、集中力、眠りには、「神経伝達物質」が関係しています。
神経伝達物質は「タンパク質」を材料に合成され、その過程では、「ナイアシン(ビタミンB3)」「ビタミンB6(ピリドキシン)」「葉酸(ビタミンB9)」などのビタミンBが不可欠です。
バランスの取れた食事によって、ビタミンB群を総合的に補給することができます。
ヘコみがちなキミ!ビタミンB群が豊富な料理で、おいしく栄養補給を!
ビタミンB群を摂取できる食事って?
ビタミンB群は肉類に多く含まれますが、栄養素により、含まれる食材が少しずつ異なります。
ビタミンB1(チアミン)
- 豚肉(豚ヒレ、豚モモ)
- ウナギ
- ソバ
- 魚(マダイなど)
- 玄米ご飯
ビタミンB2(リボフラビン)
- レバー(豚レバー)
- ウナギ
- 魚(ブリ、サワラなど)
- 納豆
- モロヘイヤ
ナイアシン(ビタミンB3)
- 魚(カツオ、マグロ赤身、サバなど)
- たらこ
- レバー(豚レバー)
- ピーナッツ
- 鶏肉(鶏ムネ、鶏ササミ)
パントテン酸(ビタミンB5)
- レバー(鶏レバー)
- 鶏肉(鶏ムネ、鶏ササミ)
- 納豆
- アボカド
ビタミンB6(ピリドキシン)
- 魚(カツオ、マグロ、サケ、サンマなど)
- レバー(牛レバー、鶏レバー)
- 鶏肉(鶏ササミ)
- 豚肉(豚ヒレ)
ビオチン(ビタミンB7)
- マイタケ
- ピーナッツ
- 卵
- 焼き海苔
- 干しシイタケ
- 大豆
葉酸(ビタミンB9)
- レバー(鶏レバー)
- 菜の花
- 枝豆
- モロヘイヤ
- ホウレンソウ
- ブロッコリー
ビタミンB12(コバラミン)
- レバー(牛レバー)
- アサリ
- カキ(牡蠣)
- ホタテ
- シジミ
- 魚(サバ、ホッケなど)
ビタミンBは種類が多いから、まんべんなく摂るのも大変だね〜
サプリメントも上手に活用!
現代人に不足しがちな上に、総合的にバランスよく摂取することが必要なビタミンB群。栄養療法を行うクリニックでは、食事のみですべてを摂取するのは難しい…という声もよく聞きます。
例えば、ビタミンB6は、タンパク質代謝、エネルギー産生、神経伝達物質の合成、造血、免疫機能のサポートなどに関わる大切な栄養素ですが、1日に必要な量を摂取するには、以下のような量が必要になってしまいます。食事だけで摂るのは難しいですよね。
オーソモレキュラー栄養療法で推奨される1日に摂りたい「ビタミンB6」の目標量160mgを食品で摂るには?
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オーソモレキュラー栄養療法の基本
オーソモレキュラー栄養療法では、特定の不足栄養素を補う前に、基礎的な栄養素(主に、タンパク質、鉄、ビタミンB群)がヒトの体の土台作りの材料として重要と考えています。これらの栄養素の体内バランスを整えた上で、不足している栄養素を補うことで、健康維持や不調の改善を目指します。
参考文献
【1】文部科学省「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」