ビタミンEってどんな栄養素?効果と摂取方法について徹底解説!

 

ビタミンEとは?

ビタミンEの作用や効能は、多岐に渡ります。中でも、ビタミンEの持つ強力な体のサビ取り効果(抗酸化作用)が注目され、「若返りビタミン」と呼ばれることが多くあります。脂溶性の抗酸化物質として細胞膜の酸化を防ぐ、非常に重要な栄養素です。

ビタミンEは、他にも、血流改善、美肌効果、生殖機能の維持、赤血球の溶血の防止、生体機能調節(ホルモンバランス、自律神経安定)など様々な働きがあり、全身の健康と大きく関係しています。

若返り、気になる♪ 他にも重要な働きばかり!

ビタミンEが不足してしまう原因は?

ビタミンEが不足する理由は、大きく2つ考えられます。

1つ目は、「食品中のビタミンE含有量の低下」です。
現代を生きる私たちが食べる食品は、精製・加工されたものが多く、精製・加工などの工程によりビタミンEの含有量は低下してしまいます。

2つ目に、「体内におけるビタミンE消費量の増加」です。
現代では、大気汚染や水質悪化などの環境要因が、私たちの体の酸化を進めているとも言われ、体内で消費されるビタミンEの量が増加しているとされています。
また、現代人に多いとされるストレスも、体内の酸化を進め、ビタミンEの消費量を増加させています。
これらの要因を自覚した上で、私たちはビタミンEをしっかり摂取していくことが大切です。

ビタミンEが不足する理由っていろいろ…。

ビタミンEが不足するとどうなるの?

活性酸素は、体内で増え過ぎると老化・疲労・シミ・動脈硬化・生活習慣病などの元凶になります。ビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、細胞を酸化から保護し、活性酸素による害から体を守る働きをしてくれます。また、毛細血管を広げ、血行をよくする働きもあります。

ビタミンEをしっかり摂取することで、美容や若々しく健康的な体の維持に役立ちます。

もしかしてビタミンE不足!?

※3つ以上該当したらビタミンE不足の可能性大

  • 老化が気になる、お肌のシミが気になる
  • 疲れが溜まっている
  • ストレスが多い
  • 肩こり・頭痛で悩んでいる
  • 妊娠希望、妊娠・授乳中である
  • 生理不順、生理痛が気になる
  • 虚血性心疾患が心配
  • 冷えで悩んでいる
  • 更年期障害が気になる
  • 喫煙をする
  • スポーツや運動をする

不足すると、全身に影響が出るんだね〜

ビタミンEは8種類まとめて摂りたい!

ビタミンEは、大きく「トコトリエノール」と「トコフェロール」の2つに分けられ、「トコトリエノール」は「α-」「β-」「γ-」「δ-」の4種類、「トコフェロール」も「α-」「β-」「γ-」「δ-」の4種類があります。
これら8種類はすべてビタミンEで、それぞれ異なる作用もあります。

また、トコトリエノールとトコフェロールには、それぞれの利点があります。トコトリエノールは細胞膜に取り込まれやすいため「即座に作用」します。一方で、トコフェロールには「持続性のある作用」が期待できます。

そのため、ビタミンEはトコトリエノールとトコフェロールの両方を摂取する方が効果的だと考えられます。おすすめの食材は、野菜、果物、魚介、酵母などです。

ビタミンEの8種類の形(同族体)

ビタミンEの8種類の形

ビタミンEって1つじゃないんだね〜!

ビタミンEは細胞膜を守る!

私たちの全身の細胞は一つ一つが「細胞膜」と呼ばれる「膜」で包まれています。
細胞膜は、単に細胞を区切るだけでなく、体の情報を伝えたり、必要な物質を通し、不要な物質を通さない様にするなど、とても大きな役割をしています。
この細胞膜の働きに、大きく関わっているのが「ビタミンE」です。

ビタミンEは、細胞膜に多く含まれる「脂質」が酸化して、有害な過酸化脂質に変わるのを防ぎます。

全身の細胞をビタミンEが守ってくれているんだね♪

ビタミンEは生殖機能をサポート!

ビタミンEは女性ホルモンの分泌を調整して、生殖機能を維持しています。体内では、副腎や卵巣に蓄えられていて、月経前症候群(PMS)や生理痛、生理不順などを改善する効果が認められています。

また、更年期障害の諸症状を緩和する効果も報告されています。
参考文献:【1】

生理前や更年期でイライラする方は、ビタミンEを補ってみて♪

ビタミンEを摂取できる食事って?

ビタミンEを多く含む食材として、代表的なものは、アボカド、アーモンド、ウナギなどです。
他にも、植物油(小麦胚芽油、ヒマシ油、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油など)、堅果や種子(ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、松の実、くるみ、ヘンプシード、チアシードなど)、全粒穀物(全粒小麦、全粒オート麦、全粒米など)、マンゴーなどのフルーツにも含まれています。
サケ、マス、卵にも含まれますが、一般的に、植物性食品の方が含有量が多いとされています。

なお、1日に摂りたいビタミンE目安量は「400IU」とされており、この量は、アボカドなら約82個(約8,200g/1個100g想定)、味付けフライアーモンドなら約93粒(約930g/1粒10g想定)、ウナギ蒲焼きなら約55串(約5,500g/1串100g想定)に相当してしまいます。
サプリメントなどを活用して、効率的な摂取がおすすめです。

オーソモレキュラー栄養療法で推奨される1日に摂りたい「ビタミンE」の目標量400IUを食事で摂るには?

オーソモレキュラー栄養療法で推奨される1日に摂りたい「ビタミンE」の目標量400IUを食事で摂るには?
参考文献:【2】

アボカドはおいしいけど、毎日81個は食べきれないね〜!

ビタミンEは、ビタミンCと一緒に!

ビタミンEは、ビタミンCとの複合摂取が有効と言われています。
なぜなら、ビタミンEは、細胞膜を酸化から守る際に、自身が酸化されラジカル(ビタミンE・)になります。ラジカルは、抗酸化力を失ってしまいますが、主に血液中のビタミンCによってリサイクル(還元)されて、抗酸化力を取り戻します。
抗酸化力を維持するためにも、ビタミンCを複合して摂取することをおすすめします!

栄養素にもリサイクルの仕組みがあるなんて、びっくり!!

脂質と一緒に摂るのも、吸収UPのコツ!

ビタミンEは、脂溶性ビタミンであるため、油脂と一緒に摂ることで効果的に吸収されます。
仕上げにオイルをかけたり、調理にビタミンEを豊富に含む植物油(ヒマシ油、オリーブ油、大豆油など)を使うのがよい方法です。
また、炒め物などのトッピングにアーモンドなどの種子を加えることで、ビタミンEと脂肪を一緒に摂取できます。ビタミンEを多く含むアボカドには、レモン(ビタミンC)と一緒にエゴマ油やアマニ油をかけるのがおすすめです。

アボカドにオイルかけるとおいしいよね!栄養面でも理由があるんだね!

オーソモレキュラー栄養療法の基本

オーソモレキュラー栄養療法では、特定の不足栄養素を補う前に、基礎的な栄養素(主に、タンパク質、鉄、ビタミンB群)がヒトの体の土台作りの材料として重要と考えています。これらの栄養素の体内バランスを整えた上で、不足している栄養素を補うことで、健康維持や不調の改善を目指します。

参考文献

【1】Ziaei, S., Kazemnejad, A., Zareai, M.(2007). The Effect of Vitamin E on Hot Flashes in Menopausal Women. Gynecol. Obstet. Invest., 64, 304-307.

【2】出典:文部科学省「日本食品標準成分2015年版(七訂)」