隠れグルテンにも注意!グルテンフリーのメリットと実践方法

 

近年、グルテンフリーという言葉を耳にする機会が増えてきました。「グルテンフリー」とは、小麦、大麦、ライ麦などに含まれるグルテンを除去した食事や製品のことです。健康志向の高まりとともに、グルテンフリー食品の需要が急増しています。しかし、実のところグルテンを避けるメリットは何なのか、疑問に感じている方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、グルテンフリーについて詳しく解説し、意外なところに潜むグルテンについてもお伝えします。

グルテンが影響する疾患とは?

グルテンは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物に含まれるタンパク質の一種です。製パンや製麺において、生地に弾力を与え、形を保つ役割を果たします。しかし、このグルテンが一部の人々にとって健康上の問題を引き起こす可能性があります。

グルテン過剰症(セリアック病)

グルテン過剰症は遺伝的な自己免疫疾患で、グルテンを摂取すると小腸が損傷を受けます。症状には、腹痛、下痢、体重減少、疲労感などがあり、栄養吸収障害を引き起こす可能性があります。
グルテン過剰症の人々がグルテンフリーを実施することで、症状を抑えて日常生活を過ごすことができます。

腸漏れ症候群(リーキーガット症候群)

腸漏れ症候群は、腸の壁が異常に透過性を増し、本来通過すべきでない物質が血流に入り込む状態を指します。
グルテンがこの症状を悪化させる可能性があるため、グルテンフリーが推奨されることがあります。

IgGアレルギー

IgG(免疫グロブリンG)アレルギーは、遅延型のアレルギー反応で、グルテンを含む食品を摂取してから数時間後、あるいは数日後に症状が現れます。頭痛、消化器症状、アトピー性皮膚炎や皮膚トラブルなど、様々な症状が報告されています。グルテンはヒトの腸で消化されにくいタンパク質であるため、アレルゲンになりやすいと言われています。

参考文献【1】【2】

グルテンフリーのメリット~体内の炎症の軽減~

グルテンフリーは、先に述べた特定の疾患を持つ方にとって有用なだけでなく、普段から健康な方もグルテンを避けることによるメリットがあります。
最大のメリットは、「体内の炎症が軽減する」ということです。 グルテンは、人の消化酵素で分解されにくい構造を持っています。未消化のグルテンが腸内に残り、腸の壁を刺激することでアトピーや花粉症などの体内炎症に繋がることがあります。
グルテンフリーを実践することで、このような炎症反応が軽減される可能性があります。

グルテンフリーの実践

グルテンフリーのメリットはご理解いただけたかと思いますが、いざ実践するとなると食事をどう変えたらよいか迷ってしまいますよね。
グルテンフリーを実践するには、少なからず食事の変更が必要になります。特に以下の4点を意識してみてください。

小麦、大麦、ライ麦を避ける

まずは小麦の含有量が多い、穀物を含む食品(パン、パスタ、シリアルなど)を控えましょう。朝食がパンの方は、ごはんに変更するところから始めてみてくださいね。

代替食品を活用する

代替食品

米粉を使った麺やパンなど、代替食品を活用することも1つの方法です。
蕎麦はグルテンフリーの穀物ですが、原材料に小麦が含まれていることがあります。購入する時は原材料を見て十割蕎麦を選ぶようにしましょう。

タンパク質と野菜を増やす

肉、魚、卵、豆類などは良質なタンパク源であり、グルテンフリーの食品です。穀物を含む食品の代わりに、これらを積極的に摂取しましょう。

加工食品に注意する

カレーライスのルウや、揚げ物の衣など様々な商品にグルテンが含まれています。グルテンフリー表示を確認してから購入するようにしましょう。

グルテンフリー2週間チャレンジのすすめ

グルテンフリーの効果を確認するには、最低2週間は徹底的にグルテンを排除することをおすすめしています。
2週間チャレンジの中で、ぜひ体調の変化に注目してみてください。お腹が張る感覚やガスの量、肌の状態などの変化がないか観察しましょう。食べた食品を記録しておくこともおすすめです。
この期間中は以下の2点に注意しましょう。

製品ラベルを確認する

製品ラベルを確認する

食品のラベルをチェックし、グルテンを含む食材が使われていないか確認します。
例えば、「小麦」「大麦」「ライ麦」「小麦粉」「小麦グルテン」「小麦タンパク」などの表示はグルテンを含んでいます。
「醤油」「麦芽エキス」「麦芽糖」これらは小麦から作られることが多く、グルテンを含む場合があります。
「香料」「調味料(アミノ酸等)」これらの中には小麦由来の成分が含まれることがあります。明確に小麦由来と記載がない場合でも注意が必要です。

外食時も注意する

外食でグルテンを控えることは大変かもしれませんが、そんな時はグルテンフリーメニューがあるお店に入りましょう。グルテンフリーメニューがあるお店が見つからない場合は、店員さんに確認してみるのも1つの方法です。

隠れグルテンに注意

グルテンは予想外の食品にも含まれていることがあります。下記の食品には注意が必要です。

ソース類:醤油、ウスターソース、ドレッシングなど
加工肉:ハム、ソーセージ、ベーコンなど
お菓子:キャンディー、チョコレート、アイスクリームなど
調味料:ブイヨン、スープの素、香辛料ミックスなど
飲料:ビール、麦茶、一部のインスタントコーヒーなど
薬品:一部の医薬品や健康食品
化粧品:リップスティックやボディローションなど

グルテンフリーを実践する際は、これらの隠れグルテンにも注意を払う必要があります。購入前には必ず成分表示を見る癖をつけましょう。不明な点があれば、製造元に問い合わせてみることをおすすめします。

まとめ

グルテンフリーは、グルテン過剰症や腸漏れ症候群の方々にとって重要な治療法です。また、これらの疾患を持たない方にとっても、炎症軽減などのメリットがある可能性があります。
グルテンフリーを実践する際は、エネルギーが不足しないようにタンパク質や良質な脂質からしっかりとエネルギーを確保しながら行いましょう。必要に応じてサプリメントなどで不足しがちな栄養素を補うことも大切です。
最初は大変に感じるかもしれませんが、グルテンフリーの適切な知識があれば健康への一助となります。隠れグルテンに注意を払いつつ、グルテンフリーライフを取り入れてみましょう。

オーソモレキュラー栄養療法の基本

オーソモレキュラー栄養療法では、特定の不足栄養素を補う前に、基礎的な栄養素(主に、タンパク質、鉄、ビタミンB群)がヒトの体の土台作りの材料として重要と考えています。これらの栄養素の体内バランスを整えた上で、不足している栄養素を補うことで、健康維持や不調の改善を目指します。

参考文献

【1】MSDマニュアル家庭版 セリアック病(グルテン腸症) 
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/03-%E6%B6%88%E5%8C%96%E5%99%A8%E7%B3%BB%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E5%90%B8%E5%8F%8E%E4%B8%8D%E8%89%AF/%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%AF%E7%97%85

【2】日本小児アレルギー学会 食物アレルギー診療ガイドライン2016

監修
水流琴音

水流 琴音(つる ことね)

「暮らしのなかで自然にふれる」やさしい食を台所から育む

【所持資格】
管理栄養士、一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所 認定ONP(7期)

【活動・経歴】
フリーランス管理栄養士として活動中。
オーソモレキュラー栄養療法を取り入れたクリニックで栄養カウンセラーとして勤務。
また、クリニックでの栄養療法の導入支援やスタッフ研修も行っている。
その他、フリーランスとして予防医療に関する発信や執筆、一般向けセミナー講師としても活動中。

【SNS】
Instagram

【認定ONPとは】
オーソモレキュラー・ニュートリション・プロフェッショナル(ONP)は、一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所が認定する栄養カウンセラーの資格です。認定ONPはオーソモレキュラー栄養医学の正しい理論に基づく、栄養素の知識、血液検査データの解釈、病態別栄養アプローチ、食事指導のプロフェッショナルとして、医療機関などで活躍しています。
また、同法人では、一般の方を対象としたオーソモレキュラー栄養療法の概要、食生活の指針、食品・サプリメントについてなど、最先端の栄養健康学のポイントを学べるオーソモレキュラー・ニュートリション・サポーター(ONS)講座を開講しています。