亜鉛ってどんな栄養素?効果と摂取方法について徹底解説!

 

亜鉛とは?

ミネラルは体内で合成できないため、必ず食事から摂取する必要があります。体を構成する上で重要な要素であるため、当然不足すると、様々な症状を引き起こします。

中でも亜鉛は体内の300種類以上もの酵素反応に関係しており、酵素の正常な活性化と機能をサポートします。
細胞の生まれ変わり、遺伝子(DNA)の合成、免疫機能、成長、嗅覚・味覚、ホルモンバランスなど、多くの生命活動に欠かせません。

亜鉛欠乏は、免疫機能の低下、成長障害、皮膚疾患、味覚障害、脱毛、下痢、男性器の発達不全などを引き起こす可能性があります。適切な食事やサプリメントで、亜鉛を摂取し、必要な量を維持しましょう。

亜鉛ってよく知らなかったけど、不足すると大変!

髪、肌、爪のトラブルは、亜鉛不足のサインかも!

「亜鉛ってどんな食品に含まれるの?」とピンとこない方も多いかもしれません。気をつけて摂取したくても、気づかぬうちに亜鉛不足に陥っているケースも多く見られます。

亜鉛は、髪や爪、表皮(角質層)の主成分であるケラチンの合成に必要なため、肌や髪、爪のトラブルにお悩みの方は、亜鉛不足が関係している可能性もあります。

もしかして亜鉛不足!?

※3つ以上該当したら亜鉛不足の可能性大

  • 抜け毛が気になる
  • 妊活中である(男女)、妊娠、授乳中の女性
  • 前立腺のトラブルが心配
  • 血糖値に不安がある
  • 下痢、便秘をしやすい
  • 爪トラブルや肌トラブルが多い
  • お酒、甘いものが好き
  • 成長期である
  • 加工食品をよく食べる
  • 貧血が気になる

思い当たる方は、亜鉛摂取を意識してね♪

現代人にありがちな亜鉛不足になりやすい食習慣って?

コンビニやスーパーマーケットなど、どこでも手に入る加工食品は、忙しい私たちの生活に欠かせません。手軽さの一方で、加工食品に含まれる添加物の「ポリリン酸」が、亜鉛の吸収を阻害します。

さらに飲酒の習慣は、アルコールの代謝のために、亜鉛が大量に消費されてしまいます。お酒好きの方には、特に気をつけて摂取していただきたい栄養素です。

亜鉛不足になりやすい食習慣

息抜きは大事だけど、亜鉛不足には気をつけないとね…。

亜鉛不足の原因は、生活習慣やライフステージにも!

亜鉛は肉や魚介類に多く含まれます。そのため、ご飯、パン、麺などの炭水化物に偏った食生活や、野菜中心の食生活を送っていると、摂取量が不足してしまい、亜鉛不足を招くケースがあります。

また、成長期のお子様や、妊娠期の女性は、体内での亜鉛の必要量が増加するため、特に気をつけて摂取しましょう。
妊活中のカップルにも、摂取をおすすめします。

摂取不足

摂取不足

肉や魚介類に多く含まれることが多く、摂取が少ないと亜鉛が不足する。

必要量の増加

必要量の増加

成長期や妊娠期で特に必要。また、インスリン分泌に必要なため、糖質の摂取が多い方は必要量が増加する。

参考文献【1】

成長期や妊娠には、亜鉛はすごく大事なんだね!

腸での吸収低下、排泄量の増加により不足するケースも!

せっかく摂取した亜鉛も、腸で吸収されなければ意味がありません。
腸に炎症などのトラブルがある方は、吸収低下による亜鉛不足に注意が必要です。加工食品を多く食べている方も、吸収低下のリスクが高まります。

また、亜鉛は体内のインスリンの正常な機能や血糖コントロールに重要な役割を果たす栄養素の1つです。糖尿病などの持病がある方は、亜鉛の排泄量が増加し、不足に陥るリスクがあります。
さらに、亜鉛不足は、糖尿病の合併症のリスクを増加させる可能性もあるため、適切な摂取に気をつけましょう。

健康な方でも、スポーツやトレーニングなどの運動量が多い方や、重労働などによって発汗量が多い方は、注意が必要です。亜鉛は汗とともに体外に流出してしまうため、摂取に留意し、栄養バランスの取れた食生活を心がけることが大切です。

吸収低下

吸収低下

腸に炎症などトラブルがある、加工食 品 の 過 剰 摂 取 で 、吸 収 低 下 が起こる。

排泄量の増加

排泄量の増加

糖尿病や腎疾患、溶血性貧血などの病気や、汗を多くかくようなスポーツで排泄量が増加する。

参考文献【1】

筋トレも亜鉛不足に注意が必要なのかぁ〜。

特に高齢者は亜鉛不足に要注意!?

年齢とともに、食事の量や多様性が減少すると、同時に摂取できる亜鉛の量も減少してしまいます。食欲不振、嚥下の難しさ、歯の問題などが亜鉛不足のリスクを高めます。

また、加齢にともない、腸管の吸収能力が低下し、食事から得られる亜鉛が少なくなります。高齢者は亜鉛含有食品を積極的に取り入れ、栄養バランスを保つための努力が必要です。サプリメントの活用を視野に入れるのも1つです。

歳を取ると味音痴になるのは、亜鉛不足の場合もあるんだって!

亜鉛を摂取できる食品って?

オーソモレキュラー栄養療法で推奨される、成人が1日に摂りたい亜鉛の目安量は70mgです。
この量を食事から摂取しようとする場合、生牡蠣なら約32個、牛肉(モモ肉)なら約1.8kg、煮干しなら約970gに相当します。

食事のみで補うのは難しい量ではないでしょうか?サプリメントの活用も視野に入れて、上手にストレスなく、亜鉛を摂取するのもおすすめです。

亜鉛ってあまり馴染みがなかったけど、頑張って摂らなきゃ!

オーソモレキュラー栄養療法で推奨される1日に摂りたい「亜鉛」の目標量70mgを食事で摂るには?

オーソモレキュラー栄養療法で推奨される1日に摂りたい「亜鉛」の目標量70mgを食事で摂るには?
参考文献:【2】

オーソモレキュラー栄養療法の基本

オーソモレキュラー栄養療法では、特定の不足栄養素を補う前に、基礎的な栄養素(主に、タンパク質、鉄、ビタミンB群)がヒトの体の土台作りの材料として重要と考えています。これらの栄養素の体内バランスを整えた上で、不足している栄養素を補うことで、健康維持や不調の改善を目指します。

参考文献

【1】出典 : 一般社団法人 日本臨床栄養学会(偏)「亜鉛欠乏症の診療指針2018」
Maret, W.(2017). Zinc in pancreatic islet biology, insulin sensitivity, and diabetes. Prev. Nutr. Food Sci., 22(1),1. doi: 10.3746/pnf.2017.22.1.1

【2】出典:文部科学省「日本食品標準成分2015年版(七訂)」